競輪で落車し、2台の自転車を担いでゴールしたらどうなるか?

2024年3月24日

2車落車、相手の自転車が自分の自転車と離れなくなり、両方担いでゴールというレアケース

実際に起こった、落車担入

2024年3月23日、取手競輪GⅡウィナーズカップ3日目、第12レースS級準決勝でそれは起こりました。1番車、松浦選手と5番車、佐々木選手が、ゴール線前の30メートルラインを越えてからの落車です。
1番松浦選手と5番佐々木選手の落車
この落車で両選手の自転車が絡み合い、離れなくなってしまいました。落車の影響で、5番の佐々木選手は動くのがやっとでしたが、1番の松浦選手は自力で歩ける程度だったようです。松浦選手は、自転車を引き離そうとしますが、外れなかったようです。

自転車を引き離そうとする松浦選手

松浦選手は、絡み合った2台の自転車を担いだ状態でゴールしました。
2台の自転車を担いでゴール
ゴールとほぼ同時、佐々木選手に係員が手を触れているので、ここで佐々木選手が棄権になったと思われます。

佐々木選手には完走の意思があった?

このあと、佐々木選手がゴールへ向かって歩こうとしているのを係員が静止しているように見えました。既に棄権扱いなのでゴールすることができませんが、佐々木選手には完走の意思があったけど、係員の判断で棄権にしたのではないかと感じました。

もし佐々木選手が松浦選手と一緒にゴールしたら?

佐々木選手も自力で歩くことができて、松浦選手と自転車を一緒に持ってゴールした場合はどうなるのでしょうか?もし2人のゴールが認められるのならば、自転車をゴールラインを跨がせる角度と選手自身がゴール線を跨ぐ順番によって、7着、8着の差が出ていたのでしょうか。
(他の1車が失格しています)

これに関わりそうな、競輪の競技ルールを見つけました。
競輪の審判の要領、第5章・競走の判定基準、第4節・先頭固定競走(インターナショナル)の審判の判定基準、競輪規則第19条によりますと、『決勝線に到達する前方30メートル以内において乗車して競走を継続することが不可能となり、又は不利となったときは、他人の援助を受けることなく、自転車を携え、えい行し、又は転がして競走を完了することができる。』と書かれています。2人で自転車を担いで運んだ場合は、互いに援助を受けたことになり、両選手が棄権になるのかな?と、思いました。

引用:競輪の審判の要領、103ページ104ページ

ケース別、裁定はこうなる

松浦選手、佐々木選手共に完走の意思を持っており、完走を目指したとします。絡み合った自転車を2台分まとめて、松浦選手が担ぎ込んでゴールしたとします。

30メートルライン通過後、自転車を担いだりして乗っていなくてもゴールできるのですが、この場合は自転車と自身の身体のうち、後に通過したほうがゴール線通過時点でゴールとみなされます。

詳しい方がXにて教えてくださいました。実際には1選手が失格しているので、7着と8着の争いになります。

松浦選手1人が2台の自転車を担いでゴールした場合

両選手で絡み合った2台を担いでゴールした場合、両車棄権になるか?

先に競輪の審判の要領で、該当しそうな項目を出しておいてあれですが、現役競輪選手の見解では、両選手とも棄権とはならないとご回答いただきました。