実験用模擬切手、額面0円をオークション販売して逮捕。その罪名は?

2021年5月14日

1960年代に郵便切手を振り分ける機械の動作テスト用模擬切手を販売して逮捕される

神奈川県の古物商8名逮捕される、一体何の罪になるのか?

2019年から2021年にかけ、販売されていない実験用の切手をインターネットオークションに出品して販売したとして、神奈川県の古物商の男ら8人が書類送検された事件がありました。この切手は、郵便切手を振り分ける機械の動作テスト用に額面を0円にして1960年代に製造されたものだそうです。
決して書類送検された人たちが偽造したものではなく、実際に日本郵便が作成したものらしいですね。切手をコレクションしている人にとっては、欲しいものになるでしょうね。もうすでに半世紀も前に制作された希少品ですからね。でも、これ、無許可で販売を行うと犯罪になるというのをご存じだったでしょうか?
販売していた古物商らもそれが犯罪になると知らないで販売を行っていたそうです。バベル裁判所さんのおっしゃる通り、法律は知らなかったでは済まされません。知っている者の味方です、ね。

7円金魚切手
この7と言う数字が0になっている、実験用の切手があった

郵便切手類模造等取締法違反となる

さて、今回の罪名は郵便切手類模造等取締法違反となるようです。

第一条 郵便事業株式会社又は外国の郵便切手その他郵便に関する料金を表す証票に紛らわしい外観を有する物は、製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し、又は郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票の用途に使用してはならない。
2 前項の規定は、同項に規定する物で総務大臣の許可を受けたものを製造し、輸入し、販売し、又は頒布する場合には、適用しない。

これに違反した場合、1年以下の懲役か5万円以下の罰金に処せられます。2項にありますが、総務大臣の許可を受けていれば適用されないようですね。今回取り締まり対象になったオークション出品ですが、オークション自体は終了していますが、2011年5月14日現在、ヤフーオークションで見ることができます。入札件数58件、1円スタートで落札価格が9750円になっています。商品説明にも、郵便自動取り揃え押印機の試験用に作成されたテスト切手(模擬切手)と書いてありました。出品者は法律を知らなかっただけで、悪意は全くなかったという事ですね。

出品者はどうやって実験用模擬切手を入手したんでしょうね?1960年代から、2019年に至るまで、自分で寝かせていたのかな?それを2019年に自宅で見つけ出して、「販売してみよう」と、思い立ったのでしょうかね?それとも、第三者から買い取ったとか?それならば、その第三者ももしかしたら、法律に違反して販売したのかも知れないですね。