WINNY事件が映画化、2023年3月10日全国公開

2023年2月3日

P2Pという言葉を有名にした、ファイル共有ソフト

2002年に公開され広く普及、多数の社会問題を引き起こす

WINNY(ウィニー)は、WINDOWS用に故、金子勇氏(47氏というハンドルで、当時の2ちゃんねるに書き込み)が開発したファイル共有ソフトです。それまでもファイル共有ソフトとしてWINMX等がありましたが、WINNYの登場によりより一層(違法な)ファイル共有がネット民の中で構築されました。

WINNY等のファイル共有ソフトで欲しいファイル、動画(アダルトビデオを動画化したもの、アニメ、映画等)、CDのイメージ(ISOファイル)、ゲームの実行ファイルの名前を検索すると、候補欄にその検索名を含んだファイルが出てきて、それを自分のパソコンにダウンロードすることができます。ダウンロード割合が100%に達すると、動画を見たり、CDの内容がイメージ化されたものが手に入ったりします。WINNYでは、同時に同じファイルを必要とする人に向けてアップロードを行います。

それまでのファイル共有ソフトとの違いは、WINNY使用者同士によって、相手から必要とするファイルの一部分をダウンロードし、相手が必要としていてまだ持っていないファイルの一部分を自分が持っていればアップロードしてあげるという点で、この技術にP2P(ピアツーピア)という高度な技術が使われている点です。これにより、サーバーダウンによるWINNYの使用不可ということが起こらず、とても速い速度で目的のファイルを入手することが可能になります。以下に記述します違法な事に使わなければ、非常に画期的な技術だったのです。

他にも、WINNYは非常に高い匿名性を持っておりました。誰がファイルをアップロードしていて、誰がダウンロードしているのかが追求しにくいということです。ですから、違法なファイル交換だとわかっていても使用して逮捕されることはないと言われていました。(言われていましたが、逮捕された例はあります)

このようなソフトが無料で誰でも使用できたのです。WINNYをダウンロードしただけですぐ使えるわけではありませんが、その為に解説サイトを読んで使用の準備をしてあげればすぐに使えるようになります。それほど難しいことではありませんでした。

著作権問題、機密情報流出事件

当時WINNYを使ってやりとりされたファイルは、ほとんどが違法なやりとりでした。ファイルの著作権問題(ゲームソフトのROMイメージや、ゲームソフトCDのイメージファイル、動画の著作権等)、悪質なウイルスによって、会社や政府機関の機密が漏洩するという問題が発生しました。会社や政府機関のパソコンにまでWINNYをアップロードして、仕事しながらファイルをダウンロードしようとしている人が現れたわけです。ダウンロードしたファイルには、ファイル名が目的のゲーム名なのに、実はウイルスだったというものが多数ありました。それを実行してPCにインストールされればPCは悪質なウイルスに感染します。そのウイルスが攻撃者宛にPC内のファイルを送ったり、はたまたWINNYにアップロードして誰でもダウンロードできるようにしてしまうという事件が起きました。WINNYでダウンロードしたウイルスを実行してしまい隠し持っていた違法なファイルを勝手にアップロードされて拡散され、観念して警察に自首したということもありました。

金子勇氏が著作権法違反ほう助で逮捕

2004年にWINNYの作者、金子勇氏が著作権法違反幇助の疑いにより逮捕されました。地方裁では有罪判決が出ましたが2011年に高等裁、最高裁で無罪が言い渡されました。金子氏は冤罪により逮捕拘留され、裁判にて不当な逮捕拘留を受けたと認められました。ソフト開発者には罪がないということが最高裁で判断されたのでした。

裁判での戦いを映画化して公開

その時の様子を再現した映画が、2023年3月10日に全国公開されます。当時はまだ誰でもインターネットしていた時代でもなかったように思います。高速ブロードバンドが普及しだしてきた時代で、WINDOWS98や、2000、Me、XPを使用していた時代ですね。スマホやタブレットよりもデスクトップPCやノートPCの時代です。当時を知る人には懐かしいでしょうが、現在とは違ったネット事情があります。

私も当時からインターネットを利用していましたので、WINNYをインストールしていたこともあります。幸いなことにウイルスには感染したことがなかった(と思う)ですが、自分の探しているファイルが簡単にダウンロードされてしまうことに当時は悪用されると恐ろしい技術だと思ってました。(使うな!)

映画WINNY予告編


映画『Winny』予告編 3月10日全国公開

映画WINNY
映画WINNY公式サイトより

2023年にWINNYを起動してみた

せっかくなので、久しぶりにWINNYを使ってみようと思いました。WINDOWS10でも起動できました。WINNYのバージョンは、最新の2.71bです。最新と言いましても、2003年11月6日に公開されたものです。
WINNYを起動
小さいですが、こんな風だったと思い出していただけましたでしょうか。ノードを設定して、ファイルを検索してみました。もちろんダウンロードする気はありません。映画で検索、全然ヒットしない。その他、ピリオドだけとか、aとか、検索してみましたけど、一つも出てきませんでした。

動作確認のため、自分で持っている画像をアップロードすることにしました。アップロード用のフォルダを作成して、パスを指定するとWINNYが強制終了しました。調べてみると、パスを指定した場合、バグにより強制終了するので、自分でパスを打ちこみしかければなりませんでした。そういえば、そうだったかな。そして、自分でアップロードしているファイルを自分でダウンロードしました。

無事ダウンロードに成功しました。

WINNYの最新版ダウンロードとノード

Winny?さんのサイトから、ダウンロードとノードのコピーができます。ノードは、解凍してできる、Noderef.txtを開いてそこに貼り付けをすれば良いです。

2018年にクラファンで資金集めをしていた

この映画作成のため、クラウドファンディング、CAMPFIREにて2018年にプロジェクトが立ち上がっていました。
ProjectWINNY
あの「Winny事件」を映画化する為の脚本開発費を集めたい!と、銘打ってクラファンで支援を募っており、開始は2018年1月29日でした。目標金額は10万円で、同2月27日終了までに支援者数138人、支援総額は81万2千円になりました。プロジェクトを立ち上げたのは、古橋智史氏でした。