レース中盤にコースの照明が消えて真っ暗になる事件発生
2023年11月19日金沢競馬第8レースで前代未聞のレース中照明消灯事件がありました。レース中にコースを照らす照明が消え、暗闇の中でレースが行われました。レースは既に残り800メートル（全1400メートル）を切り、中盤から終盤へ向かうところでした。
発走時刻は17時10分。11月中旬ですので、外は既に日没で夜です。ライブ中継は突然真っ暗になり、放送事故かと思いましたが、実は照明が全て消えていたのでした。
ゴール前の照明は点灯していたので、ゴール到達順位はわかるのですが、道中に何があったのか、ライブ放送では全く分からない程でした。
着順掲示を行わず、レース不成立の可能性を含めての審議となりました。この審議中、マイクを切り忘れており、中の会話がそのまま放送されていました。
照明の消灯事件があったレースのライブ中継動画
原因は自動消灯時間を間違えた、うっかりミス
この突然の消灯、原因は自動で場内の照明を消すタイマーのセット時刻を誤ってセットしたという、うっかりミスでした。19時10分に照明の自動消灯タイマーをセットするところを17時10分にセットしてしまったそうです。17時と午後7時を間違えてしまったのでしょうか。馬が走っている時間よりも走っていない時間のほうが長いのですから、せめてレース中でなければ、ここまでの惨事にならなかったと思いますので、悔やまれます。照明、電気設備の故障ではなく、ヒューマンエラーによる事件でした。
騎手2名、病院搬送、競走馬1頭が安楽死
この消灯の影響で、騎手3名が落馬し、騎手2名が救急車で病院へ搬送されました。また、競走馬1頭は安楽死処分となりました。レース不成立により、全ての車券は払い戻しとなり、消灯した原因究明のために以降の9レース、10レースは中止となりました。
金沢競馬のＸより。第9競走以降の開催取りやめの案内がありました。
レース冠名のくまの心社長とは
このレースの冠名、くまの心社長お誕生日おめでとう記念でした。くまの心社長にとってはとんでもない誕生日記念となりました。ところで、くまの心氏をご存じだったでしょうか。くまの心（くまのしん）氏は、歌舞伎町ホストクラブの社長で、11月18日が誕生日だったそうです。せっかく誕生日を祝おうとされた側も、こんなレースになってしまうとはとてもやるせない気持ちで一杯でしょう。
事件後、金沢競馬の今後の対応について
競馬場を運営する石川県競馬事業局によりますと、今後はタイマーによる自動消灯をせずに手動で消灯するようにするそうです。また、照明の担当者を1名にせず複数名にすると発表されました。このように対策をして、翌20日からレースが再開されました。
11月22日にお詫び文の掲載
19日に発生した事故により、騎手3名が落馬、競走馬1頭が安楽死処分となる重大な結果を招いたことにつき、あらためて関係者の方々、ファンの皆様に深くお詫びを申し上げます。
再発防止を図るとともに、安全なレースの実施について、最大限努力してまいります。 pic.twitter.com/yJNAiKwM8c— 金沢競馬 (@kanazawa_keiba) November 22, 2023
金沢競馬
11/19（日）走路照明消灯により発生した事故について（お詫び）
11月19日（日）17時10分、薄暮レースの最中に走路照明が突然消灯したことにより、3頭が落馬する事故が発生しました。落馬した騎手3名のうち2名が病院に緊急搬送されたほか、競走馬1頭が故障により安楽死処分となり、当該レースは不成立、以降のレースについても取り止めといたしました。
今回の事態を大変重く受け止めており、怪我をされた騎手の方々に、心からお見舞い申し上げるとともに、馬主をはじめ、関係者の方々、ファンの皆様に深くお詫びを申し上げます。
今後、負傷した騎手や安楽死となった競走馬、競走取り止め等に係る関係者の補償について、誠実に対応していきたいと考えております。
事故の原因は、職員が照明タイマー設定を誤ったという人為的なミスであり、走路照明そのものには問題がなかったことから、関係者の了承をいただいた上で、翌20日（月）からレースを再開したところです。
既に、走路照明の消灯は手動で行うなど、再発防止を図ったところですが、改めて、安全なレースの実施に最大限の努力を尽くしてまいります。